家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

フレグメント オブ グローリー

ビートルは長い間自動車科のワークショップにいた。
首都ビエンチャンにはビートルの専門店があってメカには詳しい。しかし、地方都市ではビートルのような珍しい車両のメカニズムに明るいメカニックは少ない。

一年付き合って、根本的な修理を行うことができるメカニックがいないことを理解した。とりあえず動くようにはなる、しかし、すぐにまた調子を崩すのである。

ブレーキのマスターシリンダーと、4つのホイールシリンダーは交換した。次々にブレーキオイルが洩れてきたからである。
パーキングブレーキも作動するようにはしたが、アクチエーターの取り付けが悪く走行中に外れてワイヤーを引きちぎってしまった。
取り付けたPブレーキは全て取っ払った。前のオーナーが、「どうしてPブレーキが要るんだい」といったことが脳裏をよぎった。「あんたの言うとうりだ。要らなかったよ」と思った。

ビートルのブレーキスイッチはマスターシリンダーに取り付ける圧力スイッチを利用する。
それを知らない整備工場は、スイッチは取り払っていて使えないといった。しかし、油圧ラインの分配器も圧力スイッチも部品屋で売っていた。今は車検の時にポジションランプで代用する必要はなくなった。

メカニカルヒューエルポンプの吸い上げが弱く、長く放置するとガソリンが下がり、往々にして吸い上げられないので電磁式に交換した。ただし、エンジンルームに取り付けたので温度が上がるのが少し心配。

その後、自動車科の教官から第2シリンダーが死んでいるといわれた。学校では直せないというから修理は諦めた。

購入直後から調子の悪かったスターターは、自動車科でオリジナル2つを使って1つを作動するようにしたが、すぐに動かなくなった。
その後、スターターは2つ交換した。2つ目はタイから電気関係のメカニックが日本製が合うということで買ってきて付けた。スターターのギア数はオリジナルとは違うのだが(一歯多い。つまりクランクの回転速度は上がる)、奥行きを棒で確認して取り付けた。
信じられないことに巧く合うのだ。この際だからスターターリレーも取り付けた。メインスイッチへの負担が減るからである。

スターターが直ったらビートルは自宅に引き取ろうと思っていた。
申し訳ないが、信頼できないのが判ったからだ。再度、自分で一つ一つチェックするつもりでいた。

前のオーナーに聞くと、全気筒とも問題なく動いていたという。急に動かなくなるはずは無いので、電気関係をチェックしてみる。なんと、ディスビキャップに刺さる部分のコードが腐食していた。
全体に経年変化で傷みが進んでいる。キャップとハイテンコードを交換した。第2シリンダーは息を吹き返した。

問題はコールド時の始動の悪さだった。
点火タイミングを合わせ直し、若干進めた。最も調子のいいのが少し進めた状態だったのである。次いで、ポイントギャップも合わせ直す。

そして、アーシングを行った。ネットで効果があるというのを知ったからである。
ディスビの近くなど、アースを取りやすい3箇所から直接バッテリーのマイナスを繋いだ。これは確かに効果があった。明らかにパワーが出た(いや戻った)。

しかし、始動の悪さは変わらない。
購入した時にはパイロットエアスクリューは1回転戻し程度だった。すごく濃い状態だったのでコールド時の始動が可能だったのではないかと思っている。プラグはいつもすすけて真っ黒だったから、前オーナーは1週間に1度、プラグ掃除をしていたという。

パイロットエアスクリューは、ほぼ正規の戻し量でセッティングし直した。それでもプラグはカーボンが付着している。これ以上スクリューを戻すと、アイドルが効かなくなるぎりぎり程度まで戻してある。
といっても限度以内。後は油面が高いのか?。

零間時のスタートが難しい理由の一つに、備わっているオートチョークが利かない問題があった。しかし、ここではチョークが必要になるくらい冷えることはめったに無い。アクセルを2、3度あおった後、一杯に踏み込んでスターターを回すと大抵の車は始動するものである。加速ポンプから生ガスがシリンダー内に注入されるからである。
所が、交換したアクセルワイヤーの取り付けが悪く、フルアクセルでもキャブのリンクが半分程度しか回らない。当然、加速ポンプは作動しない。

ワイヤーを張り直した。しかし、加速ポンプからはタラタラとした情けないガスしか出てこなかった。加速ポンプの調子もイマイチだったのだ。そこで20回位あおってみるが、やはりかからない。しかし、手動でチョークバルブを閉じると始動するのである。
もうギブアップだ。キャブ交換が手っ取り早いと思うが、中古が無くて新品は高すぎる。

その他に考えられるのはバッテリーである。特に弱いとは思えなかったが、チャージャーを買い込み半日充電しておいた。翌朝、ビートルは手動チョーク無しで始動してしまった(点火コイルも良くないのだろうか)。

ここを直せばあっちが壊れるという状態が長く続いたが、現在、走行状態の調子は相当改善され、走って気持ちがいい所まできた。
前回は片道120Kmをようやく往復できた。今はビエンチャン500Kmの旅ができそうな気になってきている。

ビートル一年間の記録。
(2006/01/29)

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