家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

ビートル記憶に

長い間、いい加減な修理の積み上げで、まともな所がほとんどないビートル。キャブレターもあらゆる部分が、いい加減なメンテナンスで覆われていた。

始動が悪かったのは、アクセラレーター(加速ポンプ)からの噴射ノズルが詰まっていたせいだったが、そのノズル自体も有り合わせの可能性が高い。ノズルの詰まりは直せたが、ガスの射出量が異常に多いのである。
だから、始動はできるのだが、始動時にアクセルを不用意に踏みすぎると、エンジンがかぶって始動不能に陥る。そんな時は、そっとアクセルを踏み込み、そのままにした状態でしばらく待ち、スターターを回さなければならない。

その面倒な車を売ってくれという。地元のまだ若いサラリーマン。調子は悪くて、部品は高く、地元にはこの車に詳しいメカニックはほとんどいないという悪条件でもいいという。

最近になって始動性が極端に悪くなっていたこともあり、再始動性の悪さの改善も合わせ、売却前に少しメンテをした。
始動性の悪さは、点火時期の進めすぎだった。正規の位置に戻したらすぐに始動できた。

アクセラレーターからのガスを減らせることができれば、かなり状況は改善させるに違いない。解決方法として、アマチュアの私の考え付くことは、ノズルの先をトンカチで潰して穴を小さくする。アクセラレーターの作動を少し遅らせてガスの噴射量を減らすということだった。
最初の方法は、最も簡単であり、すでに一度試していた。ただし、ガソリンにゴミが混入している可能性が高いから、いつ又、ノズルが詰まるかわからない。それも困るので、あまり潰したくもなかった。

アクセラレーターが作動しないと、このビートルを始動するためには、エンジンフードを開け、手動でチョークバルブを閉めなければならない。オートチョークだから、始末が悪いのだ(ただし、オートチョークは壊れている)。

スロットルリンクに連動し、アクセラレーターを作動させるアクチエーター(連結棒)にはスプリングが組み込まれ、それを介して作動している。そこで、スプリングを少し切った。これで、初期作動が遅延した。もう少し切って、さらに遅延させたほうが良さそうだったが、時間もないので勘弁してもらった。
ガスの噴射量は減るはずである。多少は改善を期待したいが、いい加減整備の上塗りになった可能性も高い(?)。

1,500ドルで購入したが、気の毒になって900ドルの予定を800ドルで売った。それでも、教員の給料の2年分位になるのだ。彼は本当に嬉しそうに、しわくちゃになった100ドル札8枚を差し出した。ずーっと貯めてきたのだという。

日本の軽自動車よりもパワーがなかったし、どこも彼処もひどい状態にも関わらず、所有の喜びと、愛着が途切れることはなかったのは、あのフォルム。
もう乗ることはないだろう。
(2006/10/08)

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