家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

手作り家具のデザイン

手作り家具のデザインを行なうに当たり、そのデザインを考えてみますと、一つの製品デザイン、プロダクトデザインとして捕らえることが可能だと思います。その場合、先ずは、「製品計画」という全体の流れを把握して作業に入る必要があると思います。

では、「製品計画」は何かということですが、一般には「デザイン」という言葉は、「スタイル」とほとんど同義で使われています。しかし、「スタイル」はデザインが持つ機能の一つにすぎません。デザインにおける機能には、「作りやすさ」「組み立て易さ」「危険でないか」「売り易さ」「廃棄の問題」等々、製作・製造にあたっては考えなければならない問題が数多く存在します。家具を作るに際して持ち上がってくる様々な問題を解決し、完成を目指すのが「製品計画」です。つまり、デザインとは広義には「製品計画」そのものと考えていいかと思います。

次に、ワークショップにおいて、オーダーによる家具作りにおける「製品計画」とは、どのようになってくるかということを考えてみたいと思います。当然のことですがカスタマー(顧客)との一対一の関係を基本として考えています。つまり、カスタマーから注文を受けた後、以下に示す条件の中でアイデアを巡らせ、形態、構造等を考え、完成させるわけです。これがハンドメイド家具の「製品計画」だと考えます。
製品計画の中のデザインの具体化までの前提条件として以下の事項が考えられると思います。

  1. カスタマーからの条件
  2. 所有している木工機械
  3. 身に付けている技能
  4. その他の知識・技能
  5. 用意できる材料
  6. 交渉力

1.「カスタマーからの条件」 は文字どうりカスタマーからの要求事項です。(1)予算、(2)使用条件(安全性・使用方法・使用環境 等)、(3)デザイン等です。これらの要求事項はきちんと整理、リストアップしておかなければなりません。

2.「所有している木工機械」 の種類でデザイン(スタイル)は大きく変わってきます。加工可能範囲が変化するためです。しかし、所有している機械の能力だけでは加工範囲は限られますので、治具(加工補助装置と考えて下さい)を製作して加工範囲を広げる必要があります。
いくら良くて、あるいは面白いデザインを考えたとしても、加工制限(制約条件)があれば変更やアレンジをせざるを得ません。このジレンマには悩まされるところです。

3.「身に付けている技能」 は技術の未熟、熟練度とでも言いましょうか、技能の程度で、加工速度、加工範囲、加工精度、完成度です。この錬度により、結果的には価格さえも変わってきます。

4.「その他の知識・技能」 は、前項の範囲に入れることも可能です。例えば建築科を卒業した方はその経験のために、家具製作に応用できる様々な知識や技能を持っているというようなことです。機械科出身で治具の設計能力に長けた方も入るでしょうし、最近では英語能力も重要な要素かもしれません。

5.「用意できる材料」 これは手持ちの材料などの事です。高品質の材料を確保できることは大きなアドバンテージです。材料の不足で製作範囲が限定される事もあります。また、広い一枚板を所有しているだけで大きな価値となり、テーブルなどに加工後、高い価格で販売することも可能です。

6.「交渉力」 説得力とも言い換えてもいいかと思います。ちょっとした事柄を説得できたことが、非常に作り易くアレンジできたりしますし、新しい試みなどにもトライできる可能性があります。また、定番商品・作品・現品を除き、大げさに言えば、全ての注文項目はカスタマーの同意無しには行なえないわけですから、この項目はかなり重要な意味を持ちます(このテーマに関しては、ここではこれ以上扱いません)。

大雑把に言って以上の六点の条件により、大きなデザインの条件の輪郭が浮き上がると思います。つまり、「製品計画」の中の様々な条件・状況が、デザインの前提条件となってきます。特にコストに関しては重要です。デザインは必ずこの制約に縛られるからです。
最終的には、デザイン作業と諸条件を、どれだけ高い位置で妥協させることができるか、という問題になってきます。上記の大枠を考慮に入れながら、具体的なデザイン(スタイル、設計)作業に入っていくわけです。

ここで問題となるのは、デザインの発想法とデザインの方法です。これはいつも思考の中に留め、考えておかなければ良いデザインにたどり着きません。しかし、これは最も重要で難しい問題の一つです。次項ではデザインの発想法---形にまとめる---について述べたいと思います。

余談ですが、以上の条件により、私自身を含めて、仮にデザイン経験者であろうと、木工の基礎を習い、実際に自分自身で作った場合、デザインに関して客観的に認識できなくなるのではないかと考えます。これには、経験不足から来る強度への不安から厚ぼったいものになり、バランスを壊している場合もありますが、難しいところです。
ただし、私の経験によりますと、親方に付き、否応無しに伝統的な製作寸法等を指示されますと寸法に関して悩む必要がなく、且つ、標準的なものが作れますから、伝統的な訓練も非常に大切だと考えます。

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