家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

はじめに

山の中に住んでいるせいで色々な野鳥と接することができます。ときどき家の中にも飛びこんできます。今までで最も珍しかったことはアカゲラがカケスに追われ、台所のガラスに激突しフラフラになっていたことです。ヤマドリがサギに追われ、バサバサと逃げていくのも傑作でした。また、家の中に迷いこんだヤマガラを保護したとき、それは私の手の上や肩から飛び立とうとしないのです、このときのように自分がすごい善人と考え違いをする瞬間はありませんでした。最近のことです。同じくヤマガラが軽トラのバックミラーに写る自分自身と何日も戯れていたのも微笑ましくありました。しかし、気が付くとミラーの前のドアパネルにウンコを多量にしてあるのです。免許を取得して以来、二台目の新車です。(正確には新古車)善人の私ではありますが、手拭いでミラーを覆い、武装軽貨物スバルサンバー号にしてしまったのであります。

いいものとはなにか スカンディナビア工芸展の問いかけるもの (2)

「新しいものを作って下さい。時間は必要なだけ使って下さい。仕事をする時間も、その方法も望みどうりになさってください」と自社に雇い入れる工業デザイナーに言いきれる工場経営者がいるということ。「万人のためのグッド・デザイン」を目標に積極的に大量生産の工場で働こうとするデザイナーたち。それに家内工業の伝統を機械産業のなかでなんとか生かしていこうと前向きの姿勢をみせる職人たち。スカンディナビアでは金と頭と手が有機的に結びついた理想的な協同作業体制がいきわたっている。アルヴァル・アールトとアクテル製作社、カイ・フランクとアラビア製陶社、タピオ・ヴィッルッカラとイッタラ・ガラス製作所というように、大量生産の工場で働きながら個人作家としての創作活動を行なっている工芸家の多いのも、そうした社会環境のおかげである。働く人々が、その仕事の質に対して直接責任を負いえるような機械生産システム。
言いかえれば、働く喜びが「もの」にいきいきとあらわれる量産システム、このような産業組織のなかから「いいもの」が生れてくるのだということをスカンディナビアの工芸品は教えてくれているような気がする。

■ムダをなくすということ

日常生活の身のまわりのものを美しくする工芸などを「小芸術」と名付け、人間と「もの」との豊かな関係の回復、デザイナーと製作者との協力の必要をはやくからとなえた英国の思想家、ウィリアム・モリス(1834〜96)は「真の芸術とは労働に対する喜びを表現することである」と書いた。(民衆の芸術)スカンディナビアの工芸の「よさ」の源泉をたどっているうち、このモリスの言葉にたどりついた。同工芸品の共通の資質である骨太な健全さは「もの」を作るという創造の喜びと自由な労働環境のなかで醸成されたものではないだろうか。逆にいえば、不必要な「もの」を不平をこぼしながら作るという雰囲気とは無縁ということである。そう考えているうちにモリスの言葉にぶち当ったのである。産業革命のあと英国を席捲し、定着した機械生産による粗悪品乱造に反発して手工芸復興運動をおこしたモリスは、無用な品物を作るためにムダに費やされている膨大な労働量に注目、こう断言した。
「だれも必要としていない品物を作り、誤って商業と称している競争的な売買の要素としか用いられないような品物を作る労働こそ廃止すべきだ」
そしてこう書いた。
「まじめな人々の日常生活には無用の長物にすぎないいろいろな品物がショウ・ウィンドーにならべてあるのをよく調べてみたまえ。それを買った人々の多くも、それが真の労働や思索や快楽には明らかに邪魔になるにすぎないことがわかる。しかしみなさんに考えていただきたいのだが、このみじめなつまらない品物に関係のある人間の数は膨大なものである。その品物を作る機械を製造しなければならない技師から、この品物の大売りさばきの行なわれるうすぎたない店先に年がら年中一日中すわりこんでいる、かわいそうな事務員やくだらないお客にその品物を売りつける店員にいたるまで、その数は無数である。それにこのお客だってほしくないのに品物を買ってきて、やがて飽きて、しまいに死ぬほど嫌になってしまうのがおちだ」(芸術と社会主義)
そしてモリスは、こうした現象が発生するのは、みんながぜいたくの奴隷になっているせいであるとして、消費的でない簡素な生活の必要を説いた。スカンディナビアの工芸の背後には、モリスが何百年もまえに、現代生活を楽しくするのに必要な徳とまで言った簡素な生活と誠実さの伝統が脈打っている。スカンディナビアの人々が機能性と言うとき、技術的な「もの」の観点からだけでなく、人の立場からも、つまり人間にとって必要かどうかを徹底的に考える。人的・天然資源に恵まれていない彼等にとっては、必要以上に「もの」を作らず、また無用なものを大量生産しないという道徳的習慣が身についたものになっている。そして「我々が造る品物は必要だから造られるのです。人々は、あたかも自分自身のために造っているかのように、隣人たちに使ってもらうために物を造るのです」(モリス)とスカンディナビアの工芸家が言いきれる誠実さ。ムダを排除し、単調で反復的な仕事は機械にまかせれば、協同作業のなかからも自由と創意にあふれた誠実な「もの」作りの楽しさが生れてくる。
(以下次号)

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