家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

はじめに

盛夏を過ぎ、秋が近くなるころまでに、木製のドリルビットスタンドの空の穴はおおむね土で塞がれてしまいます。オオフタオビドロバチの仕業です。体長約二センチ、体色黒、腹部に二本の黄色の帯のある蜂で、直径一センチほどの穴を選んでは巣を作るのです。巣となる穴を決め卵を産みつけると、ふかした幼虫の餌となる、刺されて麻酔状態のアオムシ、メイガの幼虫を運び込みます。必要量のあおむしを運ぶと土できれいに蓋をこしらえるのです。しかし、彼等の畢生の大事業も、冷酷な木工屋の手に握られた一丁のエアーガンによって無残にも吹き飛ばされてしまうのです。
諸行無常。

工房を建てる (6) 工房建築リポート 5 : 馬場正則

ようやく九月二八日に工房の棟が上がりました。応援にきてくれた皆様に感謝、感謝の気持ちです。今回は、木工仲間のみの素人集団にて無事、棟上げが終了しました。その顛末を記します。

九月四日の自宅の棟上げ終了後、工房の部材の切込みを始めました。まず土台をアンカーに設置し、柱とプレートアンカーとの位置を確認しました。この確認により、縦、横の基準が決まる訳です。多少のずれはありましたが、そこは、アバウトに何とかなるさの気分で、OKです。(プレートアンカーは、基礎のコンクリートに埋め込んだプレート状のアンカーで柱と方杖をボルトで固定する金物です) 義父と二人で連日、部材加工に精を出し、日の良い九月二八日に上棟と決めてから、その日に向けての作業スケジュールを組みました。幸いにして今年は雨の日が少なく順調に進み、方杖と筋交の加工まで済ませて、二八日を迎えました。

前日の夕方からリース屋で借りた二トンユニック車(一日一万四千円+消費税)にて現場に着つきました。先ず、御神酒と塩を四隅にかけて清めて、応援に駆けつけてくれたウッドワーカーの皆様に少しの御神酒を頂き、ケガのないように神様に祈りました。(突然、信心深くなる私です)小国町より二名、隣町の筑穂町より一名、飯塚から一名と地元の友人の一名応援にて、棟上げを始めたわけです。多少まごつきながらのユニックの操作にて柱をたて、梁を載せる作業を始めた途端、一本の柱の寸法が違うみたいで、梁がきれいに載らないのです。確かめると十センチ長かったのです。まさか、他の全部、違うのではという不安もありましたが、とにかく先に進まないと、せっかく応援に来てくれた人に申し訳ないので、組み上げを続けました。幸いにして一本だけのミスに終わり、ホッとしました。建築主がユニックを操作していては、段取りや指示がはっきりしないという意見もあり、兼丸先生に操作をお願いして、続々と梁をかけてゆきました。日頃、ユニックの操作などしないウッドワーカーがするわけで、僕も含めて、仲々うまくいかないわけです。悪気はないが、口の悪い連中ばかりで、しかも全員、現場監督なみのつもりでいるのですから、それぞれの口から、色々な指示が出て、どれに合せれば良いのか分かりません。しかし、温和な兼丸さんは、軽くいなしながら着々とレバーを動かし、作業は順調に進んだわけです。

ビールとおにぎりの昼食を終えた頃、九州に近付いた台風の影響で風も強くなり、パラパラと雨も降り出し、あわてて午後の作業を始めました。何にしてもそうですが、徐々にスムーズとなり、終える頃には、プロの集団を思わせる手さばきにて、九本の梁を載せて、桁とボルトでつなぎ、筋交まで設置するという状態にまでゆきました。前回の自宅の棟上げの時には、元大工さんに一週間ほど来てもらい、細かい所や、わからないところを手伝ってもらいましたが、今回はまったく一人で準備しましたので、組み上がった時は、”何とかなった”という気分で十分に満足しました。途中、垂直のレベル出しなどは、当初、下げ振りで見てましたが、それぞれの現場監督の目で見るのですから、なかなか決まりません。しまいには、三十センチ程の水準計にて垂直を見て、”こんなところで… ”というアバウトな判断にて行ないました。そのせいか、今現在、建具の寸法取りや、壁材の下地の寸法に表れて、少々苦労しております。やはり、一人工は一人工です。なかなか進みません。日頃の行ない(?)のせいか、翌日の二九日より雨。しかも、隣宅のおじいさんが二九日早朝亡くなられ、その日より三日間、地域伝統の葬式の世話でつぶれ、二八日に棟上げが済んで本当に良かったと思った訳です。

現在は、もうすぐ屋根がかかり、窓枠や外壁の下地を作っており、十月末には完了する予定です。多少細かい所は残りますが、年内に自宅も一応は住めるようにして、移転するつもりですので、自宅の造作に入ります。次回は、残りの仕上げと、それまでにかかった諸費用について記す予定です。ではまた。

ホームブリューイング (2)

次に市販モルトエキスを用いた自家用ビールの作り方を紹介します。成功の秘訣は使用する器具やビンをよく消毒し、雑菌で汚染されないようにすることです。

1. 器具の殺菌
約一リットルの水に茶さじ半分の液体塩素漂白剤を加え、消毒液を作り、使用する器具を数分間浸し、お湯でよくすすいでおく。なお、ビンの消毒は水洗いをし、底に数センチ程度の消毒用アルコールを入れ、よく振ってそのまま次のビンに移し、順番に同じことを繰り返していくという方法でも良い。

2. ワートを作る
缶入りのモルトエキス(麦芽エキスシロップ)と砂糖(注1)を2.5ガロン(9.5L)のお湯にゆっくりと加える。こげないようにかき混ぜながら、最短で二十分から最長で一時間位沸騰させる。ワートとは未発酵のビールのことをいう。沸騰させることで材料をよく溶かし、殺菌し、ワートを発酵させる準備をする。また、でき上がったビールを濁らせる原因になるタンパク質を壊す役目も果たす。

3. イーストの活性化
カップ半分のワートを取り、室温まで冷やし、表面にビールイーストをふりかける。ふたをし、手順5が終わるまでそのままにしておく。

4. ワートを冷やす
発酵容器に水一ガロン(3.8L)を入れ、三十分ほど冷やしたワートを加え、さらに、水を入れてトータルで5.5ガロン(20.8L)にする。温度は60〜75゚F(華氏)にすること。この温度で発酵は起る。強制冷却ではなく、ワートを空気中で自然に冷やすと雑菌が入る可能性がある。

5. 比重検査
容器から比重計が浮くのに必要な量のワートを取り、比重計を浮かべる。比重はおよそ1.03〜1.05位になっているはずである。ワートが熱いと比重計の値は実際より低くなる。サンプルは戻さないですてる。

6. イーストを加える
手順3で用意したイーストをチェックし泡が出てればワートの中に注ぎ、泡が出ていなければ、さらに三十分待つ。発酵容器にフタをし、エアーロック付きの栓をしておく。エアーロックには半分まで水を入れる。発酵は八〜二四時間以内で始る。

7. 発酵
一日か二日で発酵は盛んになり、七〜十日間続く。発酵の進行をチェックするのはエアーロックのフロートを観察すればよい。エアーロックに泡が昇ってこなくなったら、比重計で比重を計る。比重が1.00〜1.006の間にあれば仕上りである。それより高ければ再びフタを閉め、さらに二〜三日待つ。しかし、ビン詰めの前までに十六日以上にはならないようにすること。発酵容器は65〜75゚Fに保つこと。

8. ビン詰
消毒したビールビンを用意しておく。大ビン一本につき茶さじ一杯(2.5〜3g)の砂糖を入れ、次にビールを入れ、直ちに打栓器でキャップをし、砂糖をまぜておく。

9. 熟成
打栓したビールは65〜72゚Fに一週間ほど保ち冷暗所に貯蔵する、ビン詰め後、およそ十日で飲めるようになるが、一ヶ月待ったほうが旨味がでてくる。二〜三ヵ月で更によくなる。

注1)砂糖の計算方法
一般的には一缶のモルトエキスでおよそ二十リットルのビールを作るように指示されていますが、それでは少し味が濃いというようなときや、もう少しでき上がりを増量したい場合は、仕上りで三十リットルでも十分なものができます。そのほうが国産の市販ビールに近い濃さになります。その場合、砂糖の量も増やさなくてはなりません。砂糖は酵母により、一対一でアルコールと炭酸ガスに分解されます。水の追加は相対的にアルコール濃度を低下させるからです。以下、仕上り量と仕上り度数による砂糖の添加量の計算式を示します。なお、モルトエキスは一缶で砂糖約800gと考えていいようです。最終的には比重計で計って調整して下さい。

100 S / T = A / 0.6  ( A=仕上り度数 : S=砂糖の量 : T=総量)

A(仕上り度数)= 4.5%、T(総量)= 20800cc(5.5ガロン)とすると砂糖の量 S=1560gとなり、モルトシロップの糖分を引くと加える砂糖は1560−800=760gとなる。
砂糖の代わりに黒砂糖だとより濃厚な味になりますし、薄めにして、バナナ、生姜、山葵汁などを加えても面白い味になります。けっこう美味です。熟成はある程度させないと旨味はでません。底にたまったオリでパンを発酵させることも可能です。我家でも一度試しましたが、うまくいきます。また、パン用イーストでもビールはできます。日本酒酵母では試したことはありませんが、どんな味になるんでしょうか。

ビール作りとは関係ありませんが、発酵の応用として、ビールビンに市販の焼酎をアルコール度数四〜五%程度まで割ったものと、二次発酵(ビン内発酵)用に三グラム程度の砂糖、イースト(極少量)を入れて打栓しますと一週間ほどで焼酎サワーができます。たとえば生姜汁を入れると焼酎のジンジャーサワーとなるわけです。美味(?)。

■参考文献:どぶろく文化 第二号 1982 8/20 / THE CELLAR CATALOG 1992

おわりに

ビールを作るには寒すぎる季節になってきましたが、念願の特集もようやく終えることができました。個人的な趣味に付き合わして申し訳ありません。良かったら一度。
(アルコール度数1%以上の自家醸造酒類は酒税法違反となりますので注意して下さい)

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