家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

はじめに

庭先の土手のカヤ類が枯れるころ、枯葉のあいだのセンブリを見つけるのは、ハッとする瞬間です。リンドウ科の越年草で、ここにはほんの少しかありません。辛うじて種を保っているのが健気です。せいぜい高さ十センチ。草刈りをするのでそれ以上伸びませんが、乾燥保存している小さな一片は、それでもキッチリ胃痛を止めてしまうのです。

工房を建てる (7) 工房建築リポート 6 : 馬場正則

十一月二十一日現在、工房建築の当初の予定の約九割が完成しました。後は、床張りのみとなりました。自宅の棟上げ以後、延べ七十数日ほどかかりました。何とか工房移転可能な状態となった訳です。木工仲間の応援を受け、工房の棟上げ以後補強の為の方杖や火打ちを入れ、金具を取り付け建物全体を固めるのに一週間、窓枠や外壁の下地作りに二週間程度かかりました。
屋根の下地材取り付けや、火打ちなどを取り付けるために脚立を上がったり、降りたりしながらの作業で一人工は、やはり少ししかできません。やはり、あと一人いれば多少なりとも早くできるのではと実感しました。

外壁は、杉板の下見張りにしたのですが、壁全体を板にするのに少しためらいがあり、何か良い方法はないかと考えていたところ、ログレストランをしている友人から「しっくい壁にすれば、手間はかかるが趣があり、費用も少なくてすむ」 というアドバイスを受け、またスペインやフランスの片田舎の農家風の感じもいいなという思いもあり、やってみることにしました。まず、しっくい壁にする壁全体にラス板、あるいは野地板という十二ミリのバチ板(製材所にある安い杉板、坪当たり千円以下)を釘で打ち、防水用のフェルトをホッチキス(タッカー)でとめて、その上にメタルラス (ラス網) という金網を同様にタッカーで止め、さらにその上をセメントモルタルで平滑にします。一日置いて、その上に城壁という名前の漆喰を練り上げて、金ゴテで塗るという方法です。プラスターというのがありますが、麦わらの繊維の入っている城壁の方が、化学物質の入っているプラスターより良質だそうです。費用は坪当たり千七百円前後でできます。但し手間がかかる訳で、金ゴテで三日も塗ると手首がおかしくなり、動かすととても痛みが走りました。金ゴテの扱いに多少なれている友人に手ほどきを受け、コテ後を残す、なぐり塗り風の壁ができました。しかし、ヘタなりに塗った壁もそれなりに雰囲気があり、大変満足しています。最初は、ポタポタ下へ落ちたり、塗ってもすぐはがれ遅々として進みませんでしたが、そのうちに金ゴテと受け皿とのコンビネーションが様になり、慣れればスムースにいきました。

その後、杉板は、下見張りの方法で釘で下地にとめてゆきました。この方法は、下から順に五分(15o)位、重ねてゆく方法です。板幅が広い方が手間が少ないと思い、製材所に相談したところ、百八十ミリも百五十ミリも大して変らないとのことで、百八十ミリを注文して、現在の工房にてプレナー加工して、張り付けました。義父とのコンビにて、二日で終了しました。この時点で屋根と壁が終了しており、工房らしくなりました。このとき、釘は、鉄釘を使用したのですが、やはりステン釘の方が良かったようです。後の雨で、釘が黒くなり、いずれ板の腐れの原因になるということで、失敗しました。そのうちステン釘に打ち直します (?)。

屋根は、金属折板を使用しましたので、施工もお願いしました。やはり正解でした。屋根の下地の材料や手間が少なくて済み、雨漏りの心配がなく、業者(屋根専門)によると、一番コストが少ない方法の一つですとのことです。窓の建具は、廃校になったり、建て直した学校の窓をとっておいたのが役に立ちました。その窓の大きさに合せて、開口部も作りました。以上でほぼ床を除いて終了しましたが、かかった費用については、基礎代約四十万円、材木代約五十万円、屋根工事代約六十万円、雑費(金具、釘、塗料、リース代他)が十万円位で、合計百六十万円前後かと思います。これに電気工事代、残りの床の材料代を入れて約百八十万前後になる予定です。坪単価にすると約七万位に納りそうです。まだコスト面では、もっと安くできる方法は、ある様ですが、基礎と屋根に重点を置きましたので、予定より少し高くなりましたが、自分では、満足しております。

振り返って、各工程での私の感じた点を書いてみます。まず基礎については、通信17号にも記したように色々ありますが、やはり、業者にたのんだ方が妥当なようです。自分ですると手間もお金もかかるようです。但し、セルフビルドにこだっている人は別ですが…。
次に材料ですが、最良なのは、少しずつ材木を溜めてゆき、必要なものが揃って建て始める方法があります。古材や余りものをリサイクルする訳です。また購入する際も一等材、二等材とありますが、少々丸みのある材や、節のある材を使えば、グンと安くなるようです。また発注前に図面より必要な各部材の量をチェックし、まとめて発注すべきでしょう。多少とも単価が下がりますし、余分に分けてもらえます。

加工段階では、フィニッシュ(仕上げ)の状態を頭に入れて切込みや組み上げをした方が、後の作業が全然違います。私の場合、その場その場で仕事をし、すぐ先の事で頭が一杯でしたので、後でずいぶん手間のかかったことでした。大工ではないのでしかたありません。切込みもできるだけ単純な方法で済ませ、金物や補強材でしのぐのが素人向きです。また使用する道具類は、木工関係の人であれば、大抵のものは間に合いますが、百ボルトの持ち運びのできる、ポータブルプレーナーと角度切りのできるスライドコンパウンドソー(卓上丸のこ)と、できれば、一寸角の角のみ機があれば申し分ありません。現場で全部加工できれば最高です。
尚、参考までに、プレカットについては、在来工法で図面がしっかりあれば、棟上げまでに必要な材料の加工料は、坪当たり一万二千円〜一万五千円でできるそうです。またプレナー加工やさね加工なども可能です(一枚当たり百五十〜二百円)。

以上、いままで六回、とりとめもなく書きつらねてきましたが、多少なりとも参考になれば幸いです。詳しい加工手順や方法についての記述が、不足ぎみにまりましたけれど、どうか御容赦下さい。私の知っている範囲であれば、いつでも話をさせて頂きます。

この後は、自宅の仕上げ(といってもまだまだ大変です)をするために毎日現場へ行っております。当分は、カーペンター バンバとなります。近くに来られる際は、立ち寄って手伝って下さいませ。よろしく …では…。

インフォメーション

■タイミングベルト

仕事上、軽トラを所有している家具木工業の方はけっこう居ると思いますが、ある木工仲間の軽トラのタイミングベルトが切れ、多額の修理代がかかったそうです。最近の軽トラも全てOHCエンジンになり、そのカム駆動用ベルトが、多少のバラツキはあっても、六〜八万キロ前後で切れるそうです。その場合、バルブは曲り、バルブシートや、ピストンなどの破損はあり、程度にもよりますが車検代くらいの修理代がかかります。軽トラに限らず普通車もそうですが、この部品の定期交換は必要だと思われます。プロの整備工が言うには、オイルの粘性抵抗もベルトへの負担の一因だそうです。つまり、オイルのまめな交換も必要であるということ。また、軽のベルトはかなりチャチなモノだそうです。ちなみに、以前は金属チェーンですので切れはしませんが、うるさかったわけです。こんな重要部品が整備手帳の定期交換部品一覧表には記載されていません、我家で使っているメーカーだけでしょうか。

■メッキ・ハタガネ

亜鉛メッキ仕上げだと思いますが、この種のハタガネは、メッキのせいでストッパーが滑って非常に使い難いものです。できれば避けたほうがいいと考えます。錆びてもまだ、鉄地ガネ製のほうがいいと思いますが…。やはり、ポニーしかありませんか・・・

おわりに

今月で馬場さんの工房建築リポートが終了いたしました。大工仕事でお疲れの後の文章、たいへん御苦労様でした。同じような計画をお持ちの方、感想をお願いします。
お薦めという商品はもちろんですが、これを買って失敗したというような製品があればぜひ教えて下さい。紹介していきたいと思います。使用体験に裏打ちされた、まさしく生きた商品テストだと思いますから…。

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