はじめに
二月終わりから三月始めは、私にとって恐怖の時期であります。いや、恐怖の時期であったわけです。つまり、青色申告の時期だからです。
四年前はアシストカルクというパソコン用の表計算ソフトを用いて伝票の集計作業を行ないましたが、自分の思うようなイメージで作業ができなく、それが不満で三年前はロータス123という有名な表計算ソフトを用い、自分のイメージにあわせたカスタマイズを進めていきました。しかし、これもなかなかうまくいかず、マスターには相当の時間がかかりそうなので、それならいっそ、以前やっていたことのあるBASICという言語を用いて、自分の好きなようにプログラミングをやってしまおうと思ったのが不幸(?)の始りでした。
私の操作のイメージとしては、未整理のレシート、領収書の一年分の山を片っ端からランダムに、単純な操作で入力を行なえば、月別、項目別に集計ができ上がるというものです。それでなければパソコンの意味はありません。単に集計を行なうだけなら、市販のソフトを用いて結構簡単にできます。しかし、始めから自分の好きな操作感で、体裁で、色で、となると私のようなビギナーには、なかなか時間がかかります。そして私のこだわりは、家人にとっては余計で無意味、不必要な作業であるわけです。三年前、ロータス123を諦めてから、自作ベーシックプログラムがとりあえず作動するまで、およそ一ヶ月以上かかりました。「ウチの件数は多くてもせいぜい四百件よ、私が暇なときに計算機でやったって一週間もあれば終わるんだから、集計さえできればいいの、お願いだから余計なことはしないで仕事してよう」だんだん険しくなる連れ合いのことばに怯えながら、未完ソフトに不満を残しつつ、かろうじてその年の青色申告用集計作業は終わったのです。アシストカルクのときより確かに入力集計作業は早かったのが、せめてものカッコづけになりました(注:アシストカルクが悪い訳ではなく、使いこなしていないのがその理由だと思います)。
「十分使い易いし早いから、お願いだからこれ以上いじらなくていいから」しかし、昨年も同じ時期、不満な点の改良に膨大な時間をさきました。そして今年も。蔑視、嘲り、怒り、拒否を堪え忍び、オタク男と罵られ、ようやく自作ソフトは気が済むところまで漕ぎつけたのです。恐怖の青色申告用集計ソフト開発は三年目でなんとか終了したわけであります。しかし、完成の満足感より、なぜか若干の寂しさが残ります。今は心置きなく仕事に打ち込めるはずですが、肩身狭く、今度はこうしてパチリパチリと九州木考会通信の文章を入力しているわけであります。ムハハ …