家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

はじめに

去年のあまりの暑さでアブの産卵が阻害されたのか、今年はいまいましいアブは、今のところ少ないのですが、代わって、例のオオフタオビドロバチが異常に多いのです。穴をさがしてせわしく飛び回るのが気になる、暑さが澱んだ午後の工房、停滞中です。

家具について (7) −工芸ニュース「幕末からの椅子のデザイン小史」より

■西洋折衷式 (明治後期〜大正)

日露戦争後は、日本も中国東北部に経済進出し、資本主義国として成長したときで、つぎつぎと赤煉瓦の西洋館の本社などが建った。これらの社長室、応接室などに使われた物は西洋折衷式が多い。
だが赤坂離宮や日本銀行などの本格的な建物を除外すれば、様式が守られたのは外観だけで、室内は折衷式で外より粗末だった。したがって椅子は、「各様式の長所を採り意匠斬新・堅牢なもの」(和洋家具製作法並図案)を求めながら、西洋折衷式となった。もっともお手本にした西欧の十九世紀末が、各様式の折衷だからやむを得ない。
その特徴は、背は柱立てで笠木にだきが少なく、適当な彫刻・挽物で飾られ、前脚は繰り形のある真鍮車つきの挽物脚、大正末には張り包みになっていく。用材は桜・しほじ・けんぽなし・けやきが多くチークも使われた。楢は大正末期になって用いられ、塗装はラックの”あめ色”で椅子と卓子の差尺が大きい。作品は諸戸民和邸(桑名)や各地の迎賓館などに相当残っている。
主な産地は、東京・大阪・神戸・京都・名古屋・横浜で地方都市でも製作されるようになるが、上物は芝であった。

■純欧風様式 (明治後期以降〜昭和前期)

赤坂離宮(東宮御所・明治四二年)の建築は、片山東熊の設計で日本の建築界が永年にわたって研究した西洋建築の集大成と建築だが、家具はほとんどフランス製だった。そしてこのような建築ができたことは、建築界に様式論争をよびおこしもした。
またその年には、三井合名会社などの財閥会社も設立され、華族・財閥の住宅、銀行、裁判所などでは、室内装飾が本格化し、金に糸目をつけず、家具様式の純粋さを求めるようになった。
ルイ十五・十六世、ジャコビアン、チッペンデールなどは最も好まれた様式で、美濃紙に毛筆で毛筆で原寸を書き、油土で原型を造り製作した。
明治十九年、ベックマンの紹介でドイツに留学し、本場の家具製作を習った清水米吉や、日本のチッペンデールといわれた木下道松などが、その中心で、明治末には三越・高島屋・松坂屋などの家具部も参加する。
(以下次号)

おわりに

おわび・補足:先月号のプロダクト紹介の中で、送料(航空便)保険料込みでで約二百ドルちょい、と書きましたが、実は船便を指定したのですが、先方が勝手にエアーを選び、差額の請求はなかったというわけです。
これは、非常に誤解を招く表現でした。慎んでお詫びを申し上げたいと思います。

戦後五十年ということで、改めて戦争、平和を問い直す、記事や特集がされていました。しかし、漠然とした平和運動の前に、開戦を結論した当時の状況を客観的に捉らえ、きちんと認識し、戦争という選択を阻止できなかった、内政、外交上の問題点などを反省、止揚するところから始めなければ、これまでの平和運動はあまり意味を持たないのではないのかと思ってしまうのです。そのような歴史教育や、わかりやすい資料をあまりみかけませんし、僕自身にしても、日本をとりまく当時の客観状況がよくわからないでいます。戦争抑止は今や、核ではなく、経済力や、国際情勢の認識力、および外交戦略だと思います。
そのとき唯一の被爆国、日本の平和運動がどれだけメッセージや批評性を持ちえるかということが、その意味に繋がると思うのですが。
現在の被爆ヒロシマの平和運動は、原爆がどれだけ人体、及び地球環境に深刻な影響を与えたかということにおいてのみ、意味を持つとしか思えないのです。
朝日新聞、「エピローグ昭和五十年」(1995 8/15)という特集の中で、ノーマ・フィールド氏は(進駐軍の一員だった父との日系二世)次のように言います、「(日本は戦後)多くの人口を抱えながら経済成長を遂げ、非常に高い教育レベルに到達しました。長い歴史の中で培われた感性や知恵もあるのに、ただただ忙しくて騒がしい、ものに埋もれた社会になってしまった。高等教育は、経済発展を促進することしかできなかったのだろうか。(敗戦後)多くの日本人がものを考えるチャンスを与えられたのに、なぜもっと幅広い社会に繋がっていかなかったのでしょうか。平和教育も抽象的です。五十年前は、あれほど切実に平和を考えなければならない社会だったのに、いまや儀礼的な平和運動ばかりです。選ばずして与えられた原爆という惨事も、社会を考える稀有な機会でした。今回のフランスの核実験への反応の鈍さを見ると、日本は、新たに被害者としての責任を認識するときでしょう」と、なかなか示唆にとんだことを述べております。

「今月はいよいよネタがないなあ」という私に、「よくやったジャン、よくここまで続いたジャン」と、すごく嬉しそうに、もう充分というニュアンスでヨメさんはいうのです。なにしろ、余計なことはすみやかに切り上げ、本業に勇往邁進せよ、といいますのが彼女の日頃の口癖で、ぜんぜん中断、廃刊、頓挫の心配どころではないわけですから、僕は意地になって、しばらく唸る月末なのであります。御意見、チップ等よろしく。

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