家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

はじめに

再びオオフタオビドロバチです。自作木製ハタ金を取り上げた瞬間、ストッパーのボルト穴に潜んでいた一匹に刺されて以来、いまいましくも、遭遇したくない虫の一種になりましたが、ようやく姿を消し、かわって越冬のため寝ぐらをもとめて工房内に入ってくる、嫌悪カメムシと、遭遇のごろであります。

家具について (8) −工芸ニュース「幕末からの椅子のデザイン小史」より

■ゼツェションと実用家具(大正期)

(本通信No.25に引用、以下未転載部/抜粋)
特筆すべきは、フランク・ロイド・ライトの設計した、帝国ホテルの家具である。そこには、デザイン運動としてのゼツェションが生きている。
アールヌーボーの家具への影響は、織物などに比べて弱い。それは、この様式が機械生産になじまなかった上に、まだ、家具様式に趣味をもつほどの生活水準でなかったことを示している。

■モダンデザインの前

(イ)表現派 (大正末期)
大正の後半から昭和前期にかけては、種々の造形運動が発生し、モダンデザインに移行する時期であった。
前記ゼツェションは実用家具運動になったので、分離派建築会(大正九年)の影響を受けた表現派的傾向が既存の様式を否定するモダン運動のさきがけとなった。
表現派の影響が顕著にあらわれるのは、大震災後のわずかな期間で、その中心は大正十三年、国民美術協会が主催し、分離派や創宇社も参加した、帝都復興創案展である。
そしてそれが、さらに森谷延雄氏を中心とした木の芽舎の運動につながる。
「家具は美と生活を一如に結びつけ、詩を物語ってくれる程度の物であって欲しい」という森谷氏の言葉は良くその特徴をあらわしている。

(ロ)フランスモダン (昭和前期)(抜粋)
昭和三年、上野の美術館で開かれた、フランス家具装飾展は、日本で開かれた最初の外国の家具とインテリアの展覧会であった。この製作を請負った三越などに影響し、アンピール風の重みをもつフランスモダンを、高級家具に流行らせた。

(ハ) 新日本様式(昭和前期)(抜粋)
新日本様式は中村順平の設計した、大阪商船の長城丸(大正十五年)が最初である。当時客船は各国とも、独自な美術工芸意匠を競った。このような傾向は国粋主義的な考えが強まるにつれて広まり、松坂屋では「新国風家具展」も開かれた。
(以下次号)

インフォメーション

■酵素反応型塗料について

塗料としての漆の優秀性は、その歴史と伝統がすでに証明するものであります。そして、その伝統が脈々と受け継がれている、「塗料の原点」である漆は、一方でその伝統性から一歩脱して、成分や物性その他の優秀性が科学的に解析され、現代社会への有効な利用が模索されています。漆研究の現状から、塗料への応用を京都市工業試験場、阿佐美徹氏のお話から引用いたします。
漆は、乾燥する硬化過程でラッカーゼという酵素が働いており、酵素によって高分子化する唯一の実用塗料といわています。従って、漆や漆をモデルとした酵素反応型塗料は無溶剤及び常温乾燥という点で環境保全や省エネに寄与するものであります。これらの観点から同試験場では、ラッカーゼの利用に関する研究を進めてきました。そして、山形大学の小田圭昭教授より、ヒイロタケというキノコの培養液中に多量のラッカーゼが分泌されることが発見され、製造も行なわれたことから、塗料への利用を探り、まずヒイロタケラッカーゼが実際の漆の乾燥促進に有効であることを実証。そこから漆の硬化機構をモデルとし、ヒイロタケラッカーゼを利用することによる酵素反応型の全く新しい塗料開発を数企業と手掛け、現在、実用化へ向け順調な成果を上げています。

■参考文献:塗料報知新聞 / 1995 9/9

■日本の木の椅子 (FROM ウッディラボ 森田)

もう御存知の方も多いかもしれませんが、十月に商店建築社から発売された「日本の木の椅子」(\3500)を紹介します。
日本で作られてきた椅子108脚の写真集ですが、この手の本にありがちな、有名デザイナーものばかりでなく、メーカーの社内デザインの椅子も何点か選ばれていて、意外とその椅子が普遍的な良さを感じさせてくれます。そして、これから先は個人的な考えですが、写真集を見終わって、日本において個人工房のオリジナルデザインの椅子は、海外の椅子と比較するまでもなく、数十年前の既製の椅子のレベルにも、全く到達していないと、改めて思い知らされました。思いつきだけの勝手気侭なデザインを、ごく稚拙な技術で作り、手間がかかったからとして法外な価格で売る。自分も含めてですが、大いに反省する必要があると思われます。それにしても椅子作りは難しいと、かなり落ち込んでしまいました。

おわりに

樟脳油は一度使ってみたいシンナーです。価格は以前に内野樟脳に問い合せたところ、一升で五千円位だといわれました。最近の価格、他のメーカーの価格は確認しておりません。なお、以前の台風十九号でクスノキが多量に倒れ、樟脳屋は喜んでいたそうです。

森田さんの御意見に私も同感です。我々も、もう少しデザイン面での質的な向上は必要でしょう。私自身、作るたびに自分の才能の無さを自覚しております。関連御意見お待ちしております。

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