はじめに
今年は、雨はけっこう降っています。工房におかれた旧式で能力の低い除湿機はフル稼働で、それでも瞬くうちに受水パンは一杯になります。しかし、山からの細い支流の水はまだまだ細い状態ですから、雨で元気になるのはたんぼの蛙で、うっとうしいばかりなのですが、降る時期には降らないとまた支障がでてきますので、「もう少し降んないといけんばいなぁ」 と思っています。
〒869-2504 熊本県阿蘇郡小国町西里 1608-2
今年は、雨はけっこう降っています。工房におかれた旧式で能力の低い除湿機はフル稼働で、それでも瞬くうちに受水パンは一杯になります。しかし、山からの細い支流の水はまだまだ細い状態ですから、雨で元気になるのはたんぼの蛙で、うっとうしいばかりなのですが、降る時期には降らないとまた支障がでてきますので、「もう少し降んないといけんばいなぁ」 と思っています。
大正年間、曲木技術が欧州から伝わり、ブナ、ナラなどの広葉樹の産地だった高山地方でこの技術を生かした家具作りが始り、飛騨家具は高級品と評価されてきたそうです。
飛騨高山の木製家具製造は、高山市工業統計によりますと平成六年の出荷額は前年比七・四%減の百七十四億円、昭和四十五年度二千三百人、現在の従業員数千三百人。飛騨木工連合会には五十三社が加盟、全国シェアは約二割となっています。
最近は本場、欧米からの高級洋家具の輸入が急増し、一方、東南アジアからはゴム材等を用いた割安品が市場を席捲しています。
このような厳しい状況に対し、同連合会では、「日本の美、飛騨デザイン」をうたい文句に、欧米の物まねではないオリジナル洋家具の意匠を創作する方針を打ち出し、優れたデザインを顕影するイベントを実施。さらに、高齢者社会の進行にも着目、起立補助椅子を開発するなど「福祉家具」の研究にも本腰を入れ始めました。各メーカーも「紳士服同様に家具もイージーオーダー制度に切り替え、顧客の注文に即座に対応できるシステムを導入する」など、付加価値戦略を模索しているということです。
四年ほど前、オークビレッジ代表の稲本さんは、最近はメーカーも我々のような方向で商品開発をし始めている…云々、というようなことを、ある種の危機感を持ち、何か唐突な感じで話したことがあり、すこし驚いたわけですが、当時、久々に立ち寄った小田急ハルクで、ハンドメイド風の、洒落たデザインの、しいていえばクレノフ調の、明らかに量産品家具を見たばかりの僕でしたから、言ってることがなんとなくわかるような気がしており、けっこうな所帯になった組織を維持していくにはそれなりの気苦労があるんだろうな、というようなことを思ったものです。
飛騨木製家具連合会の標榜する付加価値戦略の一つの方向は、我々のジャンルであることは間違いないわけで、いよいよメーカーもそこまで考える時代になってきたかという妙な感慨があります。
我々の仕事は、量産に置き換えることのできにくい、家具・木工の基礎部分を支える一つの分野として位置付けられるものだと考えています。歴史的にも、手工芸の世界を機械的手法を用いて、より安価に複製することが近代化と呼ばれてきたりもしました。しかし、その基本となる伝統技術は脈々と受け継がれ、いまだ範となっている部分も大きいわけです。
メーカーの新たな試み、努力は消費者にとってはメリットがあり、歓迎すべきことだと思います。私は、自分が携わる自分の仕事の位置や意味、性質に誇りと自負をもっています、だから尚更、伝統を踏まえ---といっても単なる復古ではなく再評価ということですが---かといってそれに拘泥しすぎず、しっかりとしたもの(ジャンル)にしていかなければと思っています。
今日などはひねもすパソコンに向い、この通信を打っているものですから、連れ合いに「すきねェ」と呆れかえられていますが、まとめの遅さ、今日できることを明日に延ばす軟弱さがこの結果であり、好きなわけぢゃ、けしてない…(かな)。
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