家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

ホームページ 「木工家のギャラリー」 に参加のお願い 熊澤 進

'96年の9月多少の期待を以て個人としてホームページを開きました、勿論宣伝が目的です、個展や展示会への応募など木工をする者が行う普通の宣伝行為はして来ましたが仕事は常に安定せず、更なる宣伝手段のつもりでしが結果は高額且つ直接見なければ手の出る品物では無い事もあって反応は無いに等しい物でした、長く見て頂く努力をすればそれなりの効果が有ったかもしれませんが私には個人宣伝以前の問題が木工に有ると感じたのです、其れは15年の木工生活の中で常々感じていた事でも有りました、木工は工芸ですから基本は生活の道具を作る事に有ります、ひと昔前大量製産が未だ発達していなかった時代、町に生活の道具を作る職人さんが居て消費者も当然の様に其の技術の一端と商品知識が有り其の上で木工芸も成り立っていた筈です、ところが職人さんの作っていた道具が量産の商品に置き換わり作る人が見えなく成った事で木工芸は砂上の楼閣のごとくベースを失っているように思います、説明が不要な方も居なくは無いのですが、手作り、一品物、無垢、といった手垢の付いた言葉に頼るしか無いのが現状です、同じ工芸でも例えば陶芸はふだん千円単位の日常雑器を作り其の片方で手間の掛かる作品を作る事が出来、一般の生活に密着したものとなっていますが、木工は一部の人の趣味のモノとなり職人とは呼ばれず木工家になってしまいました、そんな木工は外からどんな印象を持たれているのか、以下の文は [暮らしの中の木の椅子展] で選考委員をされた方々の選考後のコメントの一部です。

■選考委員長 : 長 大作氏

家具デザイナーやインテリアデザイナーの展覧会は今までもよく取り上げられて、それなりの成果も上がっているかと思いますが、もう一つ木工家と呼ばれるクラフト的な家具の作家たちの作品はまだまだ世の中に十分には知られていないように思います。木工家がデザインし、製作するもののなかに、この国の風土のなかからおのずと表われてくるデザインというものが有り得るのではないか、それらがこの国の家具産業界や家具デザインの世界にも刺激を与えるのではないか、そのような思いがあります。これらの作家たちは、自分でデザインをし、自分で製作をし、そして自分で販売まで行うという人たちが多く、おのずから宣伝力や販売力にも限界があり、また独立独歩の仕事の性格上、数人のグループで展覧会を開くことはよくあるようですが、多くの作家が−つにまとまって大きな展覧会を開くなどということはあまりありません。
(中略)
木工家と呼ばれるクラフト的な作品を作る人たちに多く見られる、木材の持つ特性の面白さに目を奪われて−例えば木材の表皮の、いわゆる板の耳の部分の面白さに注目するあまり、デザイン的な検討が十分になされていないままの、やや骨董趣味的に流れた作品などは除かせてもらいました。またデザイナーとして基本的に守るべきこと、使う人の安全性に配慮すべきことが十分に考えられていないもの一例えば三本脚の椅子で後脚を一本にしているものなどはPL法を持ち出すまでもなく、常識的にも危険なものとして取り上げませんでした。

■選考委員 : 織田憲嗣氏

木工家と称する方達は自ら作品をデザインし、それを製作する人達が多い。そして、そうした人達の多くが−人で黙々と物作りをしている。一つの作品を納得がゆくまで時間をかけ仕上げること、これは大量生産の現場ではなかなか難しいことである。依頼主からの注文があり、材料選びから吟味を重ね、物を作り上げることは作家にとって素晴らしいことである。しかし、そこに木工家にとって大きな落とし穴があるように思う。社会との接点を欠き、客観的な眼で自分の作品を評価できなくなり、ややもすると、木の造作にのみとらわれたものや、「無垢の木」「手作り」、はたまた「世界に−つしか無いもの」等々、機能性や量産性を無視したものが生まれることになる。その結果、依頼主は異常に高額な買い物をする。また、そうした物作りをしている作家に共通しているのは、量産品を敵対視しているようだ。木工家の作品にも、大量生産されているデザイナーの作品にも、それぞれ長所、短所があり、それらを認めない限り両者の溝はなかなか埋まらないのではないだろうか。
(朝日新聞社の許可を頂き引用しました)

木工をするものにとって肝に銘ずべき文章だと思いますし重要な問題提起も含んでいます、全国に木工家と呼ばれる方 (家具、指物、くり物) は大雑把に見て約1,000名と言われていますが山形県では4名しか居ない様ですし我が大分は6、7名です、当然の事ながら大都市圏に偏ってると思われ、そして各々様々な経歴と創業のエネルギーを持った個性的な人物が多い為か全国レベルでの活動は聞きません、しかし5、6年前には考えもしなかった個人レベルで全世界と繋がる双方向のインターネットが一般的なメディアと成った以上何らか木工を知ってもらう全体としての動きが有ってしかるべきです、出来れば自然発生的に多数の方々が動き此の様なホームページが立ち上がるのが理想とは思いましたが逆にまずきっかけとしての誰もが乗りやすいお皿の様な機能を持つホームページを作り時間を掛けて進めるのも良いのではと思ったのです。

■目的

  1. 整理された形で多数の木工家の作品を掲示する事で参加者個々の宣伝 (作品や個展など) と全体宣伝を同時に行うと共に木工家全体の情報共有、研鑽の場とする (効果は参加者の数ですし豊富な情報は更なる新しい情報を生みます)。
  2. 全体宣伝に不可欠な物として木工に関するあらゆる資料 (専門的な物も含む)、情報を掲示し作品や木工全般の適切な説明を行う。
  3. 国内の木工家同士の交流や又将来可能となれば英語版を製作し海外の木工家との交流を支援する。

ともかくホームページは立ち上がり、一時の眠れぬ毎日からは解放されました、その間様々に御協力、御支援頂いた方々に深く感謝致します、私は中途半端が嫌いで結果此のホームページもとんでもない大風呂敷に成ってしまい此れが大きな難関になりました、殆どの人になんで個人がこんな利他的な行為をするのかと言われてしまいした、其の幾つかを書くと、

  1. 普通に見てこんな事をする人は有名に成りたいか金儲けをしたいかのどちらかだ。
  2. 新しい権威に成りたいのか。
  3. ネット上で会費と称して金を取り警察に捕まった人がいるが彼方は大丈夫か (維持費として月1500円頂いています)。

などなど落ち込むのには十分なものでした、既にページを開いている木工家のリンクを作ったり (此れは簡単ですし公開しています) 木工のデーターベースを作る丈だったら個人の行為 − 趣味として疑念を抱かれずに済んだと思います、しかし目的は私自身が依って立つ木工と言う土台に関わることですから効果的に行うには独りの限られた力より同じ土台をもつ同業者を巻き込むしか無く、なぜなら木工を伝える最大の情報は「何処で誰が何を作っているか」だからです、急がば回れ、そうしてこそ結果も得られると考えたのです。
長いおつき合いの方からの言葉「10年続けられれば疑念は消えます」皆さんの参加 (パソコン、インターネットに興味の無い方、既にホームページを開いている方まで全員が対象です)、御協力をお願いします。

■「木工家のギャラリー」 事務局 / 代表 : 熊澤 進 / (編注:2002年2月現在活動休止中)

インフォメーション

■オレの椅子をつくる

多分、読者の方々も写真でご覧になったことはあると思いますが、長野で木工をやっておられます、谷 進一郎さんの安楽椅子を、皆川さんというフリーライターが彼の工房にかよって作り上げた制作記です。一般向けの書籍とはいえ、非常に細かく、構造や制作プロセスが示されています。

■オレの椅子をつくる : 谷 進一郎 (制作指導)・皆川正夫 (文) : 講談社 : \1700

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