家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

はじめに

「祝」七年目突入記念(実は廃刊へのカウントダウンの響き。自虐的なアイロニー)。

木材の乾燥と狂い (5) 上田友彦 (長野県工業試験場 松本駐在)/ 谷 進一郎

[U]全体的に乾燥による反りをおさえるため、一番上におもしをのせるとか、全体をターンバックルで締めつけるという方法が考えられております。これは人工乾燥の時にも使えます。また木材を積みますと大体、下の方、中の方の乾燥が遅くなりますので、下の方の桟木を厚くしたり、真中辺りをあけて積むなどの工夫も考えられます。木口割れを防ぐには端の材木を木口面にピッタリつけて積んだり、木口面に接着剤や塗料を塗っておくと良いでしょう。全体に乾燥を早くするためには、扇風機やファンで常に風をあてるようにしても良いようです。特に下の方は乾燥が遅れめですので重点的に行なって下さい。それと一寸した設備が必要ですが、ビニールハウスで簡単なサンルームを造り中の温度を高くすることも考えられます。密閉性が高いと温度が高くなっても、それにともなって湿度も高くなりますので、以外に割れや狂いは少ないようです。その場合、地面からの湿気を避けること、内部の空気が動くようにファンをつけたりして工夫すること、中に入った熱を逃がさないように。ヒニールを二重三重にはる方が効率的です。いずれにせよ、これだけでは人工乾燥なみの乾燥はできないものと思っても良いでしょう。ただ早くするだけと考えておいて下さい。まだまだ沢山ありますし、またそれぞれが工夫すべきことですので色々と考えて下さい。

[T:谷]木材乾燥について詳しくお聞きしてきましたが、今回は一応これで終ります。最後に何か。

[U:上田]こうやってお話ししていくと自分でも乾燥のことが良く分っていないことが思い知らされました。ですから読まれる方はもっと分りにくいかと思います。でも乾燥はそんな難しいものでほありません。何となくとっつきにくいだけです。これを機会に是非とっついて下さい。もし分らないことがありましたらご連絡下さい。また何かアイデアでもごぎいましたらお教え下さい。それと大体どの都道府県でも工業試験場のようなものがあり大体木工のセクションがありますので、気軽に相談されれば多分親切にのってくれると思いますのでせいぜい利用すると良いでしょう。

[T]どうもありがとうございました。

[対談の記事内容に付いて、私自身不明な点を上田さんにお聞きしました。ご返事を頂きましたので掲載いたします]

Q1:木材の乾燥と狂い(2)より(No.66 / P2)下記強調部は具体的にはどのようなことでしょうか?

[U]木口割れには、木口面に乾燥をおさえるために接着剤や塗料等を塗布します。表面割れや内部割れは乾燥条件をゆるくすることで少なくなります。しかし木材は熱と木材の中の水と水の移動によって柔らかくなる性質があります。急激な乾燥でもその性質を利用すれば割れや狂いを少なくすることもできます。

[T]乾燥による狂いはどうしておこるのでしょうか。

[U]乾燥による狂いは、板目面と柾日面の収縮率の違い、無理な乾燥による落ち込み、木材が本来もっている動こうとする性質等によっておこります。板目面と柾目面の収縮率の違いによっておこる巾ぞりは、含水率の変化によって必然的におこり、ねじれ、たてぞり等は、木材の本来もっている動こうとする性質によるものです。しかしこれらは熱や水などによって木材の柔らかくなる性質を利用て少なくすることができます。落ち込みは乾燥過程で細胞の中がつぶれることをいいますが、これ樹種によって差がありますが、乾燥条件をゆるやかにすることで、ある程度おさえることができます。

A1:例えば、曲げ木を考えてみます。曲げ木をするとき、木材を蒸したり、煮沸したりして軟らかくします。そして曲げます。ですから、熱や水分で木材が軟らかくなる性質を利用した訳です。曲げた後、すぐ放してしまうと、ほとんど元に戻ってしまいます。曲げたままにしておくには、曲げたまま、軟らかくなった木材を硬くなるまで、そのままにしておきます。しかし曲げているわけですから、そのまま硬くなったとしても、戻ろうとする力が働いています。その力を抜くには、温度と水分と、水分の移動により、その形になじませていく必要があります。当然、温度が高いほど、水分が多いほど、水分の移動が激しいほどなじむ時間は短くなります。

最近の木材乾燥で、高温乾燥というのがあります。木材を乾燥させるとき、割れや狂いを生じないようにしたいとき、低温で、少しづつ乾燥させるというイメージがあります。しかし、それと逆に例えば温度120℃、100%の関係湿度で乾燥させようとする方法です。そのとき、木材はフリーにしておくのではなく、何らかの方法で固定しておきます。そうすると、乾燥過程で木材が軟らかくなり、その形のままなじんでいきます。乾燥過程で木材が割れるのは、乾燥して収縮しようとしているのに、それをさせてくれないで、しかも、それなりに木材が軟らかくなっていないから割れるわけですが、柔らかくなっていれば、割れないでなじんでくれるようになります。平衡含水率(その状態においておくと、一定の含水率になること)で、例えば120℃、100%のとき、平衡含水率は18%位です。(ついでに、平衡含水率10%を維持しようと思ったら、120℃のとき85%、100℃のとき80%、80℃のとき73%、60℃のとき67%、40℃のとき60%、20℃のとき55%位が平衡含水率です)ですから、水蒸気をバンバン出しても表面をビシャビシャにして、120〜130℃にすると、20%位まで含水率が下がってきます。ただし、湿度が足りないとすぐに割れが発生する可能性があります。ですから、しっかりとしたコントロールが必要です。少し、難しい表現になりますが、こういった場合の温度と時間とは、時間の対数に比例すると言われています。ですから、温度が高いほど、時間は急速に短くてすみます。ただし、木材が自由に動けるようにしたまま乾燥しますと、当然狂ってしまいます(割れは入りにくいのですが)。木材に桟木を入れてきれいに積んで、それを例えばターンバックルのようなもので拘束しておくようにします。
(つづく)

インフォメーション

■郵送ガン検査

ウッドワーカーの皆さんも、オッサンと呼ばれる年齢に達した方が多いのではないかと思いますが、普段の健康への配慮は如何でしょうか。私もそうですが、自覚症状が現れるまでは、何の病気についてもわりと無頓着という方が多いのではないかと思います。症状が出たらやばい場合が多いこの病気は早期発見が最大の防御の一つです。
自宅で採った1ccの尿を郵送するだけで、ガンの有無を調べるサービスがあります。
これは尿中のポリアミンという物質の濃度を調べることにより、体内にガンがあるか無いかをチェックする検査です。ただ、どんな種類のガンであるかという特定はできませんので、陽性反応の場合、ガンの部位を特定する精密検査が必要ですが、総合病院の様々な検査に比べ、気軽にチェックできるのが特徴です。検査を受けた人のおよそ一割前後が「陽性」だそうです。費用は七千二百円(送料込み・税別)。結果は一週間程度で分ります。
ガンによる闘病生活を強いられている友人を持つ木工仲間が、この検査を奨めてくれました。

■(株)医療分析センター TEL : 042-376-3669

Contents
Sales & Service

椅子用ペーパーコード
デンマーク製ペーパーコードを販売しています。

桐油の販売
オイル仕上げ用の「桐油」を販売しています。

椅子の張替え
Yチェア等の椅子の張替を行っています。

ウィンザーチェア教室
英国スタイルの本格ウィンザーチェア制作教室を開催しています。

Link

興味の壺
プロダクトデザイン・メカニスム・伝統的アーキテクチャー等を紹介しています。