家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

昇降盤とブレードについて

昇降盤での、かなり精度が欲しい胴付加工の必要があり、マイターゲージを用い、材の試し切りをしました。切断面のチェックをしたところ、驚いたことに平面であるべきその木口面はかなりいびつに切れており、特に切り始めの部分が、鋸刃がブレた感じで材が取られています。
新しい鋸に交換してみても結果は変りなく、約半日、調整に時間をかけましたが直るものではありません。結局そのときは、わりと結果の良かった小径の鋸で加工をすませ、後日カネフサの技術サービスに電話をし、アドバイスを仰ぎました。

担当の方のお話では、原因は二つ考えられ、まず第一はシャフトのベアリングのガタ。第二に鋸押えのフランジ面(鋸を両側から押さえている部品。私のいた関東の家具屋ではまんじゅうと呼んでいました がブレているのではないかということでした。
もちろん受けフランジのブレは非常に深刻な問題ですが、押しフランジ(ロックナット側)も落としたりしてカドがつぶれて鋸側に出っぱったりしますと影響が出るそうです。この場合は定盤の上にサンドヘーパーを置き、軽く研摩すれば良いそうです。その他の場合はベアリングの交換やフランジ面の削り直し等が必要になってきます。
また、フランジ面のブレだけではなく、シャフトのスラスト方向のブレも問題になってくるそうです。確認をしてみた結果、ベアリングのガタはなさそうでしたが、鋸のブレはけっこうありました。

ちなみに直径305mm (12インチ)の鋸の先端近くで振れ幅2/100mm、同じくシャフトの振れも2/100mm 以内が限度(理想)というお話でした。そうするとフランジは大抵直径100mm 位ですから、フランジ面はかなりシビアな精度が必要となってきます。ただ、回転中には振れは小さくなるそうです。どうしても振れが取れない場合や、わざわざフランジ面を削り直すほどではないかなという場合で、加工精度を必要とする場合は、小径255mm (10インチ)位で、やや厚めの鋸を用いた方が良いだろうというお話でした。

その後、鉄工所へシャフトを持参し、旋盤によるフランジ面の切削と、この際ですのでベアリングの交換をやってもらいました。受けフランジはギヤプーラーがなければ取りにくいので、シャフトに付けたまま持っていきました。プラスチックハンマーなどで叩いて取ろうとすると、外れるのは外れますが、シャフトとの接触面を変形させかねません。やはり、取り外す場合は専用工具(ギヤプーラー)を用いるべきです。
鉄工所のおじさんは、地元の製材業者の木工機械類の修理などを行なっており、木工機械も結構精度が必要なこと、その経験からシャフトにフランジを付けたままはもちろん、ベアリングもセットしたまま削るのがいいんだが、といっておりました。
まだ、多少のフレは認められますが、具合はかなり良くなりました。

シャフト部のベアリングのハウジングと昇降盤本体は二本の平行ピンで位置ぎめされており、ピンが結構長かったのでシャフト部の取り外しには苦労しました。以前も誰かが取り外しに苦労したらしく、マイナスドライバーのようなものでこじった跡が残っており、再塗装の際の塗料が入り込んでいました。そのために接触面は平滑ではありませんでした。デリカシーに欠ける整備状況です。
シャフト部、本体、柄取装置、柄取装置定規はきちんと位置決めされており相互の直角等の位置関係は調整がききません、定規のフェンスに取り付ける板を削って直角を合せるしか方法がありません。しかも柄取装置定規部のロックレバーとロックノブ(定規部と柄取装置定盤のロックレバー、定規部と定規フェンスのロックノブ)の閉め具合で、鋸とフェンスの平行関係は微妙に変化します。

イラスト:材の中の鋸歯 加えて、カネフサの技術サービスに鋸についてもお聞きしました。
まず、縦挽き鋸というものは、材を鋸が挽き割った後、鋸の中心から後の鋸刃を材が締めて切り肌が汚くなる場合が多いので刃数は多くできないそうです。横切り鋸は材が鋸身を締める可能性が低いこと、刃数が多いほうが切断面がきれいなため、その刃数を多くしてあるそうです。

縦挽きの場合、材の厚みに関係なく材の中に刃(歯)が4枚入る位が最もきれいに切れるそうです。また、鋸は材よりも5mm、多くても10mm 出す位がいちばん良いそうです。それ以上出しますと刃が材を切り始めるときに材をたたく感じになり、すくい角も取れず、切り肌がきたなくなるそうです。

材が厚い場合は、鋸を出して鋸の中心に近い部分で切るようにしなければ刃は多く入りすぎ、材がこげたりする原因になるということです。このことは上記の説明と矛盾しますが、材の厚みによって鋸を大径のものに変えるなどすれば良いのでしょうが、我々の日頃の作業では現実的ではなく、材の種類などによっても結果はかわる要素があり、使用者がより良い結果のほうを選択していくしかないということのようです。

柄取りの場合は、切る距離が短く、後の歯を材が通過することはありえなく、また、大抵において鋸の中心部を使用するため、材の中に入る刃数は少なく、そのため横切り用の鋸を使用してもまったくさしつかえないそうです。ただし、鋸刃に樹脂分やピッチは付きやすいということはあるそうです。

胴付加工や柄取り加工の場合、小径や厚い鋸はブレには強いというのは書きましたが、カネフサの製品の中では、「A0」などがブレの影響を受けにくいそうです。また、最初の4〜5回以降は再研摩を行なっても鋸の切れが悪くなるのはいた致し方ないそうですが、それまでの研摩で切れが良くないのは、研摩技術による場合が多いそうです。

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