家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

サイドチェアを描いてみた

これからの潮流、3D。
最近では、3Dモデリングよりも、3Dプリンターが賑わいを見せています。
いずれにせよ、3D関連の技術は進み、多くのシーンで使われてくることは間違いありません。

家具製作、特に椅子製作の場合、立体確認は重要事項です。
ただし、1/5スケールモデルにせよ、製作するには、かなりの労力が必要となります。

1/5モデルといっても、決して侮れません。
旋盤部品でも、現寸以上に精度よく作らないと、もったりして野暮ったいものになるからです。
それではモデルの意味が無くなってしまいます。

1/5モデルも大変なので、部品を掻き集め、簡単に形状確認をしたり、或は、いきなり現物試作を作る場合も多々あります。

所で、3D-CADや、3Dモデラーといった、立体表現を行うアプリがあります。
以前から、これをマスターしなければいけないと考えていました。
椅子製作の前の形状確認にはもってこいだし、最近話題の3Dプリンターも、データの入力には、3D-CAD等を用いなければならないからです。

所が、3D-CADや、3Dモデラーの使い方が難しい。
使用感が2D-CADと違い、感覚的に使いこなせないのです。
そのため、今迄に何度か挫折して来ました。

Blender
Design Spark Mechanical
PTC Creo Direct Modering Express

等々の3D関連のソフトがありますが、様々の理由により断念しました。
今回は、「Metasequoia」 というフリー版の3Dモデラーを使い、椅子のモデリングを試みました。

使用目的は、あくまで椅子の形状確認です。
綺麗な椅子のイラストを描くのではありません。
描画に余計な時間を掛けたくない、ということです。

このソフトも、とっつき難いのですが、ネット上にチュートリアルが結構豊富にあるために助かります。

椅子の形状確認程度の使用では、完全に使いこなせなくても問題ありません。
ディテールの完璧な再現を行うとすれば、マスターにも、描画にも非常な時間が掛かりますが、個人的には、そこまでの必要はありません。

3D モデリング サイドチェア正面 「Metasequoia」にも、「下書き」機能があり、3面図に沿って描画出来るので、比較的簡単に仕上げる事ができます。
(ただし、2D-CAD等が使えなければなりませんが)

また、「Metasequoia」でも、3Dプリンター用の「stl」ファイルの出力ができます。
折角、3Dモデラーをマスターする以上、この機能は外せません。

3D モデリング サイドチェア後面 今回のサンプルは、以前制作した、「Side Chair 701」をベースにしました。
SakraCad(2D-CAD)で寸法出しをして、GIMP(フォトレタッチソフト) 経由で、ファイル化。

「下書き」は、正確にセンター配置にしなければなりません。
GIMPは、自動でセンターに配置するので使用しました。

3D モデリング サイドチェア 脚を変える 結果が、右画像です。
形状がシンプルなため、比較的簡単に仕上げられました。
さすがに3Dだけあって、イメージが掴み易い。
3D化後、図面では分からなかったバランスの悪い部分を修正したのがこの画像です。 まさしく3Dのメリットです。

更に、脚を変えてみました。
全体が完成すると、この様な変更は実に容易です。
勿論、画像上の様に、この脚にストレッチャーを付ける事も簡単。
部品を取り換えながら、比較することができます。

これは使えますし、椅子製造者は使うべきアプリだと思いました。
暫くは、3Dプリンター無しでも充分だと思えた位です。