はじめに
木肌を生かしたナチュラルな仕上り、しっとりとした風合い。ラッカーやウレタン仕上げにない新鮮な木材のテクスチャー。オイルフィニッシュはそのように、木材の「木肌」を十分に生かす塗装法です。しかし、オイルフィニッシュのことを詳しく解説したテキストは、日本国内ではほとんど見ることはできません。私自身も釈然としない部分を残しながらオイル塗装を行なっていました。そんな折り、アメリカのウッドワーカー Sam Maloof 氏の行なっているオイルフィニッシュ(注1)を彼の著書で見つけたのです。それを機に、オイルフィニッシュをきちんと理解したいという理由で、資料の作成を始めました。
なお、この試みは、九州塗料工業(株)前工場長、桂木博志氏(退職)の御協力なしにはスタートすらできませんでしたし、形にはなりませんでした。心から感謝致します。ただし、桂木氏とは、私の部分的な疑問点に答えて頂くという関わり方ですので、文責は全て私にありますことをご承知下さい(化学知識に乏しい私の理解不足による、不正確な記述の可能性がありますことをご理解下さい)。
基本的には、オイル仕上げを見直してみようという試みです。大まかには、オイルフィニッシュとは何かということについて、次にオイルフィニッシュ用塗料の構成要素について、第三に、オイルフィニッシュ用オイルのクォリティをもう少し上げることはできないかという順序で述べていきます。
この資料は '98 6月現在のものです。ご了承下さい。
- 注1)SAM MALOOF氏の方法
- 桐油、亜麻仁油にウレタンを混合する方法。乾燥が早まり、乾燥後のオイルの硬度が増す。ホーム・ファニチャー誌(アメリカ、タウントンプレス社発行・廃刊)を見ると、アメリカのウッドワーカーもこのような混合オイルを用いている場合が多い。