家具制作鯛工房

モダンでシンプルな家具を制作する家具椅子工房です

オイルフィニッシュについて

■オープン・ポア・フィニッシュ

家具などの木材の塗装は、目的や用途などによりさまざまな方法が選択されていますが、これらを塗装面から大まかに分類すると、塗膜仕上げ(スムース・フィニッシュ)と、目はじき仕上げ(オープン ポア フィニッシュ)(注1)に分けることができると考えます。オープン ポア フィニッシュ(Open Pore Finish)あるいはオープン グレイン フィニッシュ(Open Grain Finish)とは、塗料を極力材質中に浸透させ、材料表面にほとんど塗膜を残さず、木目もはじかせたままで、素材の美しさを生かした仕上げを行おうというもので、一般に秀麗軽快な仕上がりとなり、オイルフィニッシュ、ワックスフィニッシュはその代表的な塗装法といえます。

■オイルフィニッシュ

北欧のチーク材の仕上げ法が、外国材の導入と共に伝来したといわれているものです。
わが国に於いても、これとよく似た仕上げ法として、東北地方や北陸地方などのケヤキの油ぶきや、ハケ洗い漆による油の塗り込みなどが建物の塗装には古くから用いられてきたそうです。また、高級品の仕上げとして、昔からビワなどの楽器や座卓などの仕上げに、拭き漆仕上げがあります。オイル仕上げもこれとほぼ同様のもので、乾性油を木材の導管に浸透させ、乾燥させることによって、素材の美しさと耐久性の向上を図ろうというものです。主な原料として、亜麻仁油や、桐油を中心としたボイル油を用い、これに油溶性石炭酸、その他の合成油脂、または天然油脂を配合したものをシンナーで溶解したもので、一種の油性ワニスを薄めたようなものと考えられます。オイルフィニッシュに用いるオイルとしては、市販のチークオイルでなくても煮亜麻仁油や、その他のボイル油、油変性ウレタン樹脂塗料などを塗料用シンナーなどで希釈して用いても代用になります。
一般には、適度な乾燥性を与え、素材への浸透性を図ったものがチークオイルなどとして市販されています。

■オイル仕上げを考える

オイルフィニッシュされた質感の良さは広く認められるところですが、欠点として、塗料の乾燥時間が長いこと、着色しにくいということがあります、さらに、塗膜強度が低いこと、色やけ(黄変性)を生じ易いこと(注2)、耐汚染性が良くないなどの点が一般にいわれています。これらのデメリットを持つために、大量生産のラインではほとんど行なわれることはありません。近年、いろいろなオイルフィニッシュ用塗料が市販されています、しかしその中で、塗装行程を短縮するために開発されたものはオイルフィニッシュ風にはなっても、本来のオイルフィニッシュの深みとは程遠いものがあります。やはり、ある程度の工程数を踏んだ、手間暇かけたものでなければその良さは出てこないと思われます。
いくつかの欠点を持ちながらも、入念にオイル仕上げされた塗装面は木材のテクスチャーを生かしきっており、ナチュラルフィニィッシュとして、この方法にまさる仕上法は他にほとんど無いといってもいいかと思います。オイルフィニッシュの良さを生かしていくため、もう一度それを見直し、多少なりとも欠点を改善していく必要があります。そのためには、まずオイルフィニッシュ用塗料の構成要素全般について正しく知る必要があると思われます。

注1)オープン・ポア・フィニッシュ
塗料や目止め剤で導管(木目)を完全に埋めずに、塗料は乗せるものの木目が開いた状態のまま仕上げる塗装法のことで、オイル仕上などのように塗料を浸透させる塗装法は、塗料浸透仕上(マイクロフィニッシュ)と呼ぶ(分類する)場合もある。

注2)黄変性
よくいわれるような、色やけを生じ易いという欠点については私自身、多少疑問を持っている。全ての木材は色やけにより濃くなっていく。それが自然であり、早いか遅いかの違いである。むしろ、色やけを起こしやすいオイルを用い、積極的に色やけを起こすことにより、材の色ムラを早く目立たないようにするのもオイル仕上げにとっては一つの方法として意味があると考えている。欠点という認識は当てはまらず、特徴と考える。

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